1978年にアルゼンチンのビデラ大統領が来日し、皇太子殿下(現在の上皇陛下)と接見した際、皇太子殿下の3人のお子様にファラベラポニーをプレゼントすると約束しました。1979年11月、大統領から2頭が届き、以来、こどもどうぶつえんでお預かりしていました。
2頭のオスのポニーは、黒毛のファルーチョと茶白のガルーチョといいます。ファルーチョとガルーチョはとても仲が良くいつも一緒に過ごしていました。そのファルーチョは2013年8月19日、ガルーチョは2014年7月28日老衰のため息をひきとりました。
亡くなったファルーチョ(右)とガルーチョ(左)(2013年8月12日撮影)
ポニーは1年で人間の4歳ほど年をとるといわれています。この2頭は1973年生まれ。ということは、人間ならば160歳を超えていたことになります。ガルーチョは食いしん坊でいたずら好きな性格、自由でストレスのない生活が長寿の秘訣だったのかもしれません。
ファラベラポニーはアルゼンチンのファラベラ家が130年かけて小さく改良した世界一小さな馬で、肩までの体高が80センチしかありません。アルゼンチン国外での繁殖は禁じられている大変貴重な馬です。
2005年の開園40周年祝賀会の後、上皇・上皇后両陛下はポニーと再会、飼育員をねぎらわれた
2009年12月、上皇ご一家がこどもの国を訪問された際、動物園でポニーとお会いになりました。その際、紀子さまがニンジンを手渡す役をされ、みなさん順番に楽しそうにニンジンをやったり、頭をなでたりしていました。紀子さまの長男の悠仁(ひさひと)さまは3歳でしたが、ポニーをまったく怖がらず、鼻をなでたり、何度もニンジンをあげたりしていました。秋篠宮さまは「(悠仁さまと)同じくらいの時に、ポニーに会った」と話されていました。
説明役の飼育員に対し、上皇陛下は「いつも世話してくれてありがとう」と声をかけられ、上皇后陛下も「みなさんがしっかりお世話してくれているので、こんなに元気なんですね」とねぎらわれました。ポニーが食べこぼさないように、よだれが付くのも構わず、両陛下はポニーの口に手を添えてニンジンをあげていました。飼育員は「動物が本当に好きなんだと思いました」と話しています。
こどもの国では、この2頭の前にも、大阪万博を記念して1970年にアルゼンチンから贈られたファラベラポニー2頭を飼っていました。うち1頭は22歳で死にましたが、もう1頭は2000年、32歳の大往生をとげました。こどもの国の豊かな自然が、ファラベラポニーの健康に合っていたのかもしれません。