(上)熊谷、空蝉、徳恩寺、白角倉
(中)三浦乙女、紅乙女、乙女椿、日の丸
(下)南蛮紅、染川、オランダ紅、秋の山
3月中旬~下旬は多くの椿の品種が競うように花を咲かせます。とてもたくさんの種類があり、赤い花、白い花、ピンクに斑入り、八重咲き、バラのような花やお饅頭みたいな花、大きな花や小さな花など、同じ椿でも全然違った花を咲かせます。またそれぞれに素敵な名前がつけられているので、花とあわせて楽しみながら散策するのがおすすめです。
マップ No.20MAP
椿の森は、安達式挿花創始者・安達潮花の椿コレクションを資生堂が創立100周年記念事業で購入、こどもの国に寄贈したことで昭和47年(1972年)に誕生しました。
広さは約15,000平方メートル、ツバキ・サザンカの仲間が約600種、7,000本あり、愛好家の間で椿の名所として知られています。こどもの国のみどりのボランティアが月に9日作業を行い、剪定、草刈、散策路の整備などをしています。
3月中旬ごろの見頃の椿を一部ですが紹介します。
安土桃山時代の京都の豪商角倉家に由来するとされる関西に伝わる千重咲き(花びらが幾重にも重なり、真ん中に雄しべが見えないもの)の品種です。
春を惜しむという名前の遅咲きの椿です。雄しべが数個に別れる割り藥が特徴で、花の中に数個の花があるように見えます。
中国原産の椿の原種。小さな白い花をたくさんつけます。白鳩椿とも呼ばれます。
江戸椿で別名有楽椿といいます。小田有楽斎(織田信長の弟で武家茶道の開祖)が茶席で愛用したことが名前の由来です。こどもの国では2月にたくさんの花をつけ、3月中旬のツバキまつりの頃は花は少なめです。
江戸椿のひとつで、ピンク色で花弁の多い千重咲きです。
江戸椿のひとつで、葉っぱの先が裂けていて、金魚の尾びれのように見えるのでこの名前で呼ばれます。
産地は埼玉県、ピンク色の八重咲きです。
日本のヤブツバキ系椿がヨーロッパで交配され、アメリカを経由、世界一周して日本に戻ってきた日系の椿です。
江戸椿のひとつで千重咲き、はじめは宝珠咲き(真ん中の花びらが開かず玉状になっているもの)。淡いピンクに赤の模様が入ります。
乙女椿の紅バージョン。街路樹や公園などによく利用されます。
江戸椿で、花は日本種の中では最も大きなもののひとつ。花付きもよくたくさん咲きます。
江戸椿で、白色の重ねの厚い千重咲きです。
江戸椿で、花はやや小ぶりで赤い花びらのな真ん中に白い筋が入ります。
富山の本法寺で栽培されていたもの。一重の大輪の花をつけます。
三浦半島原産で秩父宮の命名といわれます。
大小の花びらが花全体に盛り上がり、その中に雄しべが散らばってある、獅子咲きと呼ばれる豪華な花をつけます。九州各地の民家に広く栽培される品種です。
関西の古い品種。
熊本で江戸時代から栽培されていた品種を肥後椿といい、日の丸も肥後椿です。雄しべが裂けて数多い様子が梅の花に似ているので、梅芯と呼びます。
一重咲きの古くからある品種。
肥後椿で白の一重咲き。
江戸椿で白地に赤の縦筋模様が入ります。花はラッパ形。
西王母という金沢の椿の品種の自然実生です。淡い桜色の花が咲きます。
椿としては珍しい枝垂れ性の品種で、葉も花びらも細長いです。
江戸椿の古い品種。
ヤブツバキの一種でこどもの国の近くの徳恩寺から名前が取られました。2月後半にたくさん花をつけ3月には花数が少なくなります。
関西の品種で、唐子咲きというお饅頭のような花をつけます。
江戸椿で白地に赤の模様が入ります。
毎年3月中旬、多くの椿の品種が咲く時期に、ツバキまつりを行っています。こどもの国の緑のボランティアが準備し、約50種の切り花展示や椿の森案内、苗木販売などを行います。詳細についてはイベントカレンダーにて告知します。