春から秋にかけてこどもの国ではたくさんの種類の昆虫が見られます。でも冬になると昆虫の姿が見られなくなってしまいます。冬の間昆虫はどのように過ごしているのでしょうか。
木の幹に巻きつけたわら(こも巻き)の中で冬を越すナミテントウの集団。
カマキリの成虫は秋に枝などに卵を産み付けます。中には200個ほどの卵が入っていて、5月にふ化します。成虫は卵を産んだ後、役割を終えて死んでしまいます。
写真はビジターセンターで飼育していたクルマバッタがタッパに入れた土の中に産卵したものです。ほとんどのバッタの仲間は卵で冬を越します。
トンボの仲間はヤゴと呼ばれる幼虫の姿で、水の中で冬を過ごします。卵や成虫で冬を越すトンボの仲間もいます。
カブトムシは土の中で幼虫の姿で冬を過ごします。
アゲハの仲間は蛹の姿で冬を過ごします。春になると成虫になり、成虫→卵→幼虫→蛹→成虫のサイクルを2~4回繰り返し、秋に蛹になったものがそのまま冬を越します。
バッタの仲間としては珍しく、枯草に隠れて成虫で冬を越します。日差しの暖かな日に草地を探すと、冬でも見つけられることがあります。
黄色く細長い姿がバナナを連想させるので「バナナ虫」と呼ばれます。こちらも天気の良い日には雑木林周辺で飛んでいることがあります。
ナミテントウは成虫のまま集団で冬を越します。木にわらを巻いておくと中に入り込んでいることがあります。寒くなると冬越しする場所を探して白っぽい壁などに集まる習性があります。写真のテントウムシは色々な模様がありますが、みんな同じ種類のナミテントウです。
ナミテントウの模様は大きく4種類に分けることができます。2つの紋があるもの(写真左上)、4つの紋があるもの(写真右上)、黒地にたくさんの紋があるもの(写真左下)、赤地に黒い紋がある(ないものもいます、写真右下)です。それぞれの種類のなかでも少しずつ違った模様があり、とてもたくさんの種類があります。
テントウムシと一緒にカメムシの仲間も冬越ししているのが見られます。オオトビサシガメは肉食で他の昆虫などの体液を吸います。お腹が減ったらまわりには・・・
毎年12月中旬に行なっている観察会です。園内を散策しながら冬の虫たちを探します。そしてビジターセンター前の木の幹に巻いたわらをはずし、どんな虫が越冬しているか観察します。時にはテントウムシが集団で冬越ししている様子が見られることもあります。開催日などはイベントカレンダーで告知します。