上の写真にバッタがかくれいているよ。どこにいるかわかるかな?(答えはこのページの一番下)
バッタはとても身近な昆虫です。多くは草地に住んでいます。草でびっしり覆われたところではなく、少し地面が見えているくらいの場所を好む種類が多く、人が入って行きやすい場所にいます。バッタも翅を持っていて飛ぶことが出来ますが、トンボなどに比べれば飛ぶ力は強くないので、比較的捕まえやすい昆虫です。子どもの初めての自然体験におすすめなのがバッタです。
バッタの仲間の多くは夏から秋にかけて見られます。多くの種類は草地に住み、エノコログサやメヒシバなどのイネ科の野草を食べて育ちます(写真左:ススキを食べるショウリョウバッタ)。ほとんどの種類は秋に卵を土の中に生み、親は死んでしまいます。冬を越して再び夏を迎える6月頃に、卵から幼虫が誕生します。
バッタの顔は左の様なお面みたいな丸い顔(クルマバッタ)と、右のようなとがった三角の顔(オンブバッタ)の2種類があります。
バッタは「保護色」をしていて、草の上や地面にいるととても見つかりづらい模様をしています。写真は上も下も同じクルマバッタですが、緑色と茶色で全然色が違います。バッタの幼虫が育つ環境によって色が変わるようです。
バッタは基本的にオスよりもメスのほうが大きいです。交尾をするためにオスはメスの背中にしがみつきます。種類によっては大きさがずいぶん違うので、別々の種類のバッタと勘違いしてしまうこともあります。(写真はコバネイナゴ)
バッタの触角は太くて短いのに対し、キリギリスの仲間は髪の毛のように細く体よりも長いです。
児童センター奥の畑周辺の草地や、白鳥湖のいかだ乗り場の近くのトイレ脇の階段を登った場所にある小広場はたくさんのバッタが見られておすすめです。どちらも日向になるので、帽子をかぶるなど対策をしましょう。
バッタを観察する際には草むらに入ることになります。短パンやサンダルなどで足元の肌を出したまま草むらに入ると、草のふちで切り傷が出来たり、虫刺されの原因になります。また、秋は蚊が非常に多い時期です。そのため足元は長ズボン、動きやすい靴で肌を出さないこと、虫よけなどを利用して対策をするようにしてください。
メスがオスをおんぶしている様子がよく見られる、比較的どこの草地でも見られる小型のバッタです。他のバッタと違いイネ科の草ではなく、ヨモギやオオバコ、クズなどの野草の葉を好んで食べます。幼虫は6月くらいから見られ、成虫は8~11月にかけて見られます。ショウリョウバッタに似ていますが、細身のショウリョウバッタに比べてオンブバッタはずんぐりしています。
三角の顔をしているバッタの代表格。メスは日本にいるバッタの中で最大で、幼児の手のひらからはみ出すほどの大きさです。メスが10センチ近くもあるのにオスはその半分くらいの大きさしかありません。またオスは「チキチキ」と音を立てて飛ぶので「チキチキバッタ」とも呼ばれます。幼虫は6月頃から見られ、成虫は8~10月に見られます。
ショウリョウバッタに似ているのでこの名前で呼ばれます。ショウリョウバッタよりもずいぶん後ろ足が短く体が一直線になるので、細い葉っぱの裏でも見事に隠れることが出来ます。ススキの葉をを好み、探すとたいてい見つかります。ピンク色の体色をしたものが見られます。幼虫は7月ごろから、成虫は8~11月に見られます。
クルマバッタとクルマバッタモドキはとても良く似ていて、どちらも同じような背丈の低い草地を好みます。どちらもメスは大型ですが、トノサマバッタに比べるとやや小さめです。オスはメスよりもひとまわり小さいです。こどもの国ではクルマバッタモドキの方が多く見られ、クルマバッタはやや少なめです。どちらも7月ごろに幼虫が見られるようになり、8~10月に成虫が見られます。上手に見分けられるようになるには、良く観察することが大切です。
クルマバッタは頭の後ろ(前胸背面)がもり上がるのに対し、クルマバッタモドキはあまりもり上がらず、「く」の字の模様が見られます。
クルマバッタは前翅にしっかりと 切れ目模様が入りますが、クルマバッタモドキの前翅は切れ目模様がはっきりしません。
クルマバッタは後翅の黒い模様の内側が黄色く、クルマバッタモドキは透けています。
ちなみに、クルマバッタが飛んでいる時に後翅の黒い模様が車輪のように見えるので、その姿からクルマバッタという名前になりました。
大型で翅が長く非常に飛ぶ力が強いバッタです。広い草原のような場所を好みますので、こどもの国ではなかなか見つけられません。それでもたくさんの人数でバッタ捕りをしていると、1人は捕まえてきます。クルマバッタにある車輪に見える黒い模様は、トノサマバッタの後翅にはありません。
ショウリョウバッタなどと同じく、背丈の低い草地で普通に見られる小型のバッタです。春と秋の2回発生し、5~6月と8~12月に成虫が見られます。成虫が見られる時期に草むらのあちこちから「ジジジジジ…」と音が聴こえたら、それはヒナバッタが足をこすり鳴いている音かもしれません。背中に「く」の字模様があること、おなかに縞模様が見られること、翅に白いワンポイントが入ることなどで他のバッタと見分けられます。
草の間に地面が露出しているような場所で見られる小型のバッタです。頭の後ろに2つのイボ(出っ張り)があることで他のバッタと見分けられます。地面の上にいると見事な保護色で見つけられませんが、近づくと飛び跳ねます。
この2種類はとても良く似ています。名前の通り、おしりの先より翅が短いのがコバネイナゴで、おしりの先より翅が長いのがハネナガイナゴです。ただしコバネイナゴに翅の長いタイプのものがいて、その場合見分けるのはかなり難しいです。
ハネナガイナゴ(メス)のお腹にはとげ状の突起があり、コバネネイナゴ(メス)の同じ場所にはこの突起がありません。オスの場合、どちらにも同じような突起は無く、ここで見分けることができません。
目の下に涙を流しているような模様があるのが特徴で、こどもの国にいるバッタの中で唯一成虫のまま冬を越します。ススキの根元などで越冬した成虫は、春になると活動しはじめ産卵をします。7がつごろから幼虫が見られるようになり、はやいものは9月下旬に成虫になります。クズやススキの葉を良く食べます。
バッタの名前の由来はよくわかっていませんが、パッタンと飛びはねる様子からバッタと呼ばれるようになったのではないかと言われることがあります。イナゴは昔から稲を食べる昆虫として知られていて、「稲の子」からイナゴになったという説が有力なようです。イナゴには顎の下にノドボトケ状の突起があり、バッタにはそれがないという特徴がありますが、それ以外に明確な違いはありません。以前はバッタ科とイナゴ科に分けられていましたが、現在ではどちらも同じバッタ科として一緒に扱われています。
フキの葉を好んで食べるのでフキバッタと呼ばれます。草むらでは見られず、林の周辺で見られ、フキの他クズなどを食べます。5月には幼虫が見られるようになり、8月には成虫が見られます。9月に入るとあまり姿を見かけなくなります。翅が短く飛ぶことができません。
ひし形の1センチくらいの小さなバッタで、寒さの厳しい時期を除いて早春から晩秋まで見られます。体の模様は変化があり、土の上では保護色で目立ちません。
(上の答え)