
開園60周年記念「ユウスゲ」植栽セレモニー

こどもの国は令和7年(2025年)5月5日で開園60周年となります。
60周年記念特別行事の開幕イベントとなる「ユウスゲ植栽セレモニー」を4月19日(土)に正面入り口時計塔横で行いました。
ホームページから応募いただいた中から、子どものころ両親との思い出を作ったこどもの国で、今度は自分の子どもと楽しい思い出を作りたいなど、こどもの国へ思いを寄せていただいている方々15組のご家族をご招待。12組38人にご参加いただき、自然豊かなこどもの国の夏の風物詩とすべく、ユウスゲの苗の定植とタネ播きをしていたただきました。
定植では、高さ20センチほどに育ったユウスゲの苗を1組2株ずつ、お椀ほどの深さに掘った穴に植えていただきました。
種は1組12粒ずつを、ポットの真中に指で穴を明け、その中に種を播いていただきました。
「ユウスゲさんは何て言ってるの?」とのお子さんの問いかけに「ありがとう!って言ってるよ」とお母さんが答えている微笑ましい会話も聞こえてきました。
ご参加いただいた方々からは、「花が咲くのが楽しみです」との声も聞かれ、植栽したユウスゲの前で記念撮影をしている家族も多く見られました。
セレモニーに先立ち、こどもの国側から、60年前にこどもの国が誕生したいきさつや、ユウスゲを御所からいただいたエピソードなどの紹介もありました。
今回植栽していただいたユウスゲの成長は、こどもの国SNS等で紹介していきますので、是非ご覧ください。

ユウスゲはユリ科の山地に生える多年草で、淡い黄色の花を付け、高さ約1メートルにもなります。夕方に開花し翌朝しぼむこと、そして「ユウスゲ」の葉が「スゲ」という植物の葉に似ていることから「ユウスゲ」と名が付いたといわれています。

こどもの国のユウスゲは、上皇陛下(当時天皇陛下)より、こどもの国開園50周年の平成27年(2015年)3月、お住まいの吹上御所のユウスゲを開園50周年にちなんで「50株」をいただくことができ、正面入り口西側と平成記念館西側で大事に育ててきました。
そこから昨年採った種と、H29年に採取した種から育てた苗を、これから先もこのユウスゲがきれいに咲き続け皆様とともに「こどもの国」が発展していくことを祈念して植栽セレモニーを実施しました。

「こどもの国」は、当時、皇太子殿下だった現在の上皇陛下のご結婚を記念して昭和40年(1965年)5月5日のこどもの日に開園しました。当時、初めて一般家庭から皇太子妃が誕生することになり、大きな祝福の声が沸き起こり、国民からのお祝い金が宮内庁に寄せられました。
その使い道について、両殿下が「子どものためになる施設を」との意向を示されたのをきっかけに、このお祝い金や企業の寄付や国費などをもとに「こどもの国」は建設されました。こうした経緯もあり、上皇上皇后両陛下や皇室の方々には折にふれてお出まし頂いております。
上皇后陛下の疎開先であり、その後、両陛下の出会いの場となり、ご結婚後は何度もご静養に訪れた長野・軽井沢の夏の野山を彩ります。45年ほど前に軽井沢町から贈られたユウスゲの苗を両陛下がお住まいで育て、現在も仙洞御所では夏に黄色い花を咲かせています。
平成14年(2002年)の皇后陛下(現上皇后陛下)の御歌(みうた)にも登場します。
また、今年(2025年)1月に上皇后陛下が出版された歌集のタイトルも「ゆふすげ」で、この中でもうたわれています。