2021年野鳥の巣箱はずし結果
野鳥は5月ごろ子育てをします。
その子育ての場を2月下旬ごろから春先にかけて探し始めます。人でいうところの物件さがしです。子育て環境が見つかると、4月ごろより巣づくりが始まります。一週間ほどでメスが産座(卵を産み、温る場所)をつくり、産卵を始めます。すべての卵を産んだあと卵を一斉に温め子育てをするのです。この間にヘビに襲われたり、私たち人間が近くを頻繁に通ったりすることで危険を感じ子育てを途中でやめることもありますが、無事に子育てを終えられれば5月下旬には巣立っていきます。
そのためこどもの国では毎年1・2月ごろに巣箱をつくり外周道路沿いにかけ、葉っぱが落ちてかんさつしやすくなる12月に巣箱を外して中の確認をしています。
※こどもの国で作った巣箱を利用する野鳥は主にシジュウカラです。
昨年12月19日(日)に行われた巣箱はずしの様子についてご報告したいと思います。
例年外周道路沿いにつけていますが、昨年はナラ枯れによる伐採がちょうど物件探しの時期とかぶることから桜堤の尾根道沿いに12個かけました。(C-1~12の番号をふりました)
はずした順に結果をみていきます。
C-12 × 土の塊のようなもの複数
C-11 × クモ(小)7匹くらい、フン
C-10 ×
C- 9 × クモ(小)2匹。カメムシ1匹
C- 8 ×
C- 7 × ワラジムシみたいな虫1匹、たくさんのフン
C- 6 × ゴキブリ2匹。たくさんのフン、繭のような糸
C- 5 × クモ(小)1匹。繭のような糸、羽根
C- 4 × 1ケ所小さく糸が張られている、何かころころしたもの
C- 3 × ハチの死がい(頭なし)、土のような汚れ
C- 2 ○ 産座あり。綿毛のようなもの
C- 1 ○ 産座あり。卵2つ、綿毛のようなもの
2021年は2つの巣箱の利用が確認できました。
C-2の巣箱には卵や卵の殻がなかったことから、しっかり巣立ったことが確認できます。
みなさんはこの結果についてどう思われましたか。
こどもの国では4割ほど巣箱を利用していれば良い結果といえるため、今回は少なかったように思います。いつもと違う場所にかけたこともあり、もしかしたら桜堤の尾根道沿いはジュウカラにとって巣箱を利用しなくても自然の中によい物件があったのかもしれません。ほかにも子育て時期の尾根道沿いにはカラスの鳴き声が響き渡っていたため、そのような外敵から逃げるために利用しなかったのかも分かりません。
2022年も新たな巣箱を14個外周沿いにかけました(1/30実施「巣箱づくり」イベントにて)。
これから暖かくなるにつれて今年も物件さがし、産座づくり、産卵・子育てが始まります。
巣箱を利用している野鳥を見かけたら安心して子育てができるよう近づかず、遠くから静かに見守ってください。
年末の巣箱はずしが今から楽しみです。
おまけ。
はずした巣箱はこどもどうぶつ園で再利用されています。
遊びに行った際はぜひ見つけてみてくださいね。